英国に上陸したMH取材班。まずは南へと足をのばしグッドウッド・サーキットへ。
美しい緑、木造のピット、そしてクラシカルなコースマーシャルの装いなど、まさに“時が止まった”とでも表現するに相応しい特別な空気に包まれています。
でも、何よりもこのサーキットを特別に彩っているのは、その永き歴史であることはいうまでもありません。スターリング・モス、グラハム・ヒル、ジム・クラークなど偉大なドライバーが戦ったコースが、今も変わらずそのままのカタチで残されています。パドック裏を歩けば、このコースで事故死を遂げてしまったブルース・マクラーレンの石碑も
訪れる愛好家の振る舞いも極めて紳士的。擦れ違い様にレーシングスーツ姿ながらも“素晴らしい天気だね”と言葉を投げかけてきてくれるその笑顔を見ていると、ひとりひとりがこの場所を大切に継承していっている、という事実を感じずにはいられません。また、この日はとある愛好家たちの貸切走行会が開催されていましたが、彼らの移動用車が停められる駐車場を眺めているだけでもため息が溢れるほど。レーシングカーをレンジローバーで牽引してきた老夫婦の姿も。
パドックをブラブラと歩いていると「君達、日本からはるばる来たんだから隣に乗ってみるかい?」とまさかのお誘いをいただき、夢のグッドウッド・サーキットタクシー体験。
この優しき御仁がステアリングを握るとこれまたトンデモないのだから、やっぱり全世界、車馬鹿って最高です。