マンソリーからブガッティ・ヴェイロン16・4用のスペシャルホイールがリリースされた。
これまでも複数のメーカーからアフターマーケット用のホイールがリリースされたが、そのどれもが「街中を転がす」のが精一杯という代物であり、ヴェイロンの最大のウリである「400km/hオーバー」に実際に耐え得る性能を持ち合わせていなかった、というのが正直なところだった。
ヴェイロンの超性能を支えている肝心要は「タイヤ」である。ミシュランが特別に開発したPAXシステムによるランフラット(Pirot Sport)タイヤはマグネシウム製のホイールと組み合わされ、1000hp/1250Nmを超える圧倒的なパワーを文字通り「しか」と支えているのだ。400km/hオーバーを実現するには優れたトラクション性能はもちろんのこと、ブレーキング性能も圧倒的なものが求められ、そのすべてにおいてタイヤは重要な役目を担っている。
因にヴェイロンのタイヤは1セットで2万5000㌦(邦貨換算で約250万円)とされ、しかも実際400km/hオーバーに挑む(加速に11km、停止に500mが最低必要となるため、通常はナルドリングなどの特設コースにおいてアタックする)際には「タイヤ、ホイール共に新品に交換」することが義務づけられている。
そう、これだけ面倒かつ特別な性能が与えられたタイヤだけに、それと組み合わすホイールを「アフターレベル」で商品化するのは、技術的にもコスト的にも実現不能だった、というのがこれまでの現実。
そうした中、遂に登場したマンソリーの「4C+」。開発はイタリアのAPP社(パガーニ・ウアイラやポルシェ991カップカーのOEM生産で知られる存在)が担当したとされており、その性能は折り紙付きだとマンソリーは豪語する。
デザインはダブル5スポークで各部に凝った造形美が与えられており、サイズはVA9×20とHA13×21という設定で、ミシュランのPAXシステムとも何の問題も無くフィットするという。材質は超剛性を有した特別な製法(詳細は明かされていない)の鍛造アルミニウム(マグネシウムではない)とされている。
「最高速アタックモード」でのヴェイロンがフルパワーで加速する際、恐ろしいほどのグリップ性能を持ったミシュラン・パイロットスポーツの中でホイールが空転してしまっては意味が無い。通常のホイールであればタイヤが「ズレる」ことはままあるが、「市販車世界最速」を高らかに謳うヴェイロン用としては、それは絶対に許されないのである。
まさに超性能を美しく支える為に開発されたこの「4c+」。マンソリーによれば「価格は車体番号を添えてお問い合わせください」とのこと。日本のヴェイロン・ユーザーも是非、これを機に愛車を足下から「ドレスアップ」してみて頂きたい。
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