今回、映像作家ルーク・ハクスハムが制作してくれたHKS R35 GT1000+とR32 Gr.Aのビデオ「Heart vs Head」は、視聴者の皆さんに映像を通して「感じてもらう」ことを大前提にした作りとなっています。そう、これはある意味、かなり「実験的」なアプローチを用いた映像なのです。
ともあれまずはビデオをご覧頂き、続いて謎解き(答え合わせ?)として以下の解説を読んでみてください。
ルークとMHが今回表現したかった内容が、少しはご理解頂けるかと思います。
※難し過ぎだよ、という場合は何卒ご容赦ください。あくまで「実験」ですので…。
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MH16の巻頭特集でも取り上げているHKS GT1000+。コイツはまさに「頭脳」で走らせるマシンだと、ドライバーのNOB谷口選手は言います。曰く、「パワーが1000ps 以上もあって重量もあるから、調子に乗って突っ込み過ぎるとホントに危ないし、速さもきちんと引き出せない。だから何よりも理性=頭脳を使って走らないといけないんだよ」と。
一方、今回HKSが特別に用意してくれたのは往年のGT-Rマニア、そして箱レースマニアには感涙必至のR32 GT-R Gr.A。完璧な状態で動態保存されたこのマシンを、今回GT1000+と同じ群馬サイクルスポーツセンターのタイトなワインディングコースで走らせたのです。
「このGr.Aは逆にハートで走らせるマシンだよね」とNOB谷口選手は言います。「この時代のマシンにはドライバーを助けてくれるデバイスが何もないから、とにかくドライバーの技量がそのまま速さに反映されるんだ。だから、心を熱くしないと走らせられない」と。
そう、現代のモンスターと旧世代のモンスター。それぞれを速く走らせるためには「頭脳=冷静さ」と「心=熱さ」という相反する要素がそれぞれ必要とされるのです。もちろん、最終的にはその双方が噛み合うことで、究極のバランスが生まれることは言うまでもありません。
さて、映像を通して両者に必要とされる「頭脳」と「心」を使い分けたドライビングの世界の違いを感じ取って頂くことは出来たでしょうか? 「うーむ、いまいち分からん」というアナタは、MH16の付録特典となるより長尺(群馬サイクルスポーツセンター1周分)のインカードライビング映像をご確認ください。
※映像特典「空飛ぶ本棚」のご利用方法(無料アプリのダウンロードが必要です)は、本誌P33に記してあります。